老いたるジャガーさん
豊かな胸をあらわにした白いブラウスのクリスティーナ・アギレラとセクシーなダンスを踊りながら歌ったあと「いい女だ」といってキスをしようとしたらアギレラが違うほうをむいていた時のミック・ジャガーは少し寂しい感じがした。
「タクシードライバー」のマーティン・スコセッシ監督は1943年生まれだから65歳になるミックを含めたストーンズの老いを「シャイン・ア・ライト」で表したかったんだと思う。デビューしたてのころのミックのインタビューをみせる。「あと何年くらいストーンズは続くか」という質問に「じわじわ人気が出てきたからあと3年はやりたい」、30歳過ぎくらいのときのミックが「いつまで」の問いに「もちろん60歳過ぎてもやってるさ」と答えている。
ドラムを叩き終わった後のチャーリー・ワッツが「やれやれ」といった感じで大きく頬を膨らませてため息をつくのが映しだされる。
しかしキース・リチャーズのやんちゃぶりは相変わらずで、煙草をステージのそこら中に放り投げる。バディ・ガイのギターに興奮し、自分のギターをあげるとステージで差し出す。ロン・ウッドが「キースにはいつも厄介をかけられる。」というのに対して、キースは「ロンのギターの技術はどうか?」という問いに「ふたりともあまり上手くない。でもふたりで組むと最強なのさ」とトロリとした目で話す。
ストーンズのすごいところは、過去のニュース映像も出るがキースやミックが麻薬で何度も逮捕されたり、中毒でもうだめなのではと思わせながら、実は老いても体力を保ち、男同士の友情を保ち、退廃とは裏腹の力強さをみせるところだなあと思う。
65歳のミックの激しいダンスと力強い歌声を聴いて、「上手に老いていいけるなら老いも悪くないなあ」と思うのである。
ザ・バンドの「ラストワルツ」と同じ構成で「ワイルドホース」のインストルメンタルでラストのクレジットを終わりにしようとして演奏が上手くいかず「いまいちだなあ」というミックの声で終わるのも楽しい。
吉田拓郎還暦のつまごいのビデオ映像をみたが観客は私達と同じおじさん、おばさんで同窓会という感じがしたが、司会をクリントン元大統領がつとめ、ヒラリーとヒラリーの母親クリントンが呼んだお金持ちそうな年配の人もいたが、多くは若い世代で、「拓郎とちょっと違うなあ」と感じたのであった。

