ボーン トウ ビー 草食動物系
すすんでる難聴の悪化が心の病につながると困るので妻が名医だと聞いてきた高崎市の耳鼻科へ行った。近くの総合病院2院に通うも貰う薬は2院とも一緒だったと話すと、やさしそうな女医さんは、ほかの難聴の患者さんにもするのだろうが顔を近づけながら病状の説明をしてくれて、話が佳境に入るとスカートの足をぱかぱか開くので、ぼうっとして半分説明が分からなかったが、要するに薬の処方では治らないらしい。首と背筋の強化の筋トレとストレッチを続けてることを話しても、「効果には個人差がある。合う人もいるだろうが。」と突き放された。絶望のまま会計が済むまで置いてあった週刊文春を読んでいたら「このごろの若い男は草食系になってきている。」とある。それに比べて女が肉食系になってきているとあり、男の草食系は「60年に及び日本には戦争がなく、平和ぼけして、闘うことを忘れているからだ」とある。さすがに文芸春秋系である。
正月飾りの弓矢やなどをしまい、納戸の荷物の出し入れが面倒なのでついでに雛飾りを出してしまった。妻の実家や親戚がやれ男が生まれたと鎧や冑、女が生まれたといってお内裏様とお雛様の豪華な飾りを買ってくれ納戸はいっぱいである。
子どもが生まれ、そうした飾りを買ってやると聞いた時わしは「鎧や冑をつけた武将が戦をしているとき農民は戦場に駆り出され、農地を踏み荒らされどうにもならない悲しみを背負っていたのだ。弓矢などのそうした人殺しの道具を自宅に飾るのはどうかと思う。」「大衆は飢餓で人が人を食べるような時代に和歌だ蹴鞠だと遊んでいた人たちの人形を飾るのは納得できない。」「お飾りは要らないから現金を。」などと話していたのだが「祖父母の歓びがそういう形になるのだから現金をもらうのはよくない。」と妻に説得され、以来21年間毎年時期には飾る。戦争や収奪の象徴が家庭に入り込む季節だ。
町の選挙に熱心な町民の人と話をしていると「職場で仕事以外で誰とよく話すのか」などと聞かれ、うっかり答えると「お前は味方だ、敵だ」という話になる。そうした人たちとの町づくりの話は大変面白いが究極的に「敵か、味方か」ということになってしまう。まちづくりの議論が前置きになることがよくある。人間は闘争本能があって生き生きと暮らしているのだなあと感じるが、学芸会じゃあるまいしと言われるかもしれないが、本質を見失った議論にならないうちに、もっと沢山のまちづくりの話をしたいなあと思うときもある。
争う気持ちが萎えると人間も終わりかも知れないけれど「自分は年を取っているけど草食動物で行こう」と小さい声でつぶやくときもある。
